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Blind touch writer


皆さんこんにちは。ネタが思い浮かばないので、適当にキーを打っていればそのうちなんとかなるかと思っている平井です。いやいや、適当に打ってちゃ文章にならないから。

『利己的な遺伝子』でおなじみのリチャード・ドーキンス先生の『ブラインド・ウォッチメイカー』でしたっけ?お猿さんに適当にタイプライター打たせたらそのうちシェイクスピアの一節が現れるかどうかというと、まぁ、非常に多くのお猿さんが非常に長い期間適当にキーを打っていればそのようなこともあるだろうけど、偶然の中からある種の方向性に進めるためには、淘汰圧という「型」みたいなものがないと、ガラクタの山からジャンボジェットが出来上がったりするわけじゃないよ、と。

うん、なんのことやら。

そうそう、利己的な遺伝子といえば、生き物は遺伝子の乗り物にすぎない、みたいなこと書いてませんでしたっけ?
なので、「私が結婚してないのは、遺伝子のフリーライドに反対しているからなのです」と言うことにしています。

これまた、なんのことやら。

遺伝子というと、ブルース・スターリングの『われらが神経チェルノブイリ』でしょうか。遺伝子シンセサイザーかなんかで誰もが遺伝子いじれるようになって、遺伝子ハッカーがあれこれ遺伝子いじりまわして、その結果がタイヘンなことにとか、そんな話だったかどうか、よく覚えていない。

よく覚えてないこと書いてもねぇ。

ブルース・スターリングで遺伝子いじりといえば、やっぱ工作者でしょうか『蝉の女王の』。工作者は遺伝子改変によりポストヒューマン化、機械主義者は人体改造によるポストヒューマン化って感じでしたっけ?このころはまだデジタイズによるポストヒューマンって感じの話はあまりなかったような気がします。フレデリック・ポールの『ゲイトウェイ』シリーズのどこかで主人公がデジタイズされてましたけど、人格がデジタイズされたのは、あのあたりからでしょうか。

わたしが好きなチャールズ・ストロスの『アッチェレランド』あたりになると、もうデジタイズされた人格なのか、AIなのかわからないものが、エネルギーと帯域幅を確保できる恒星の周囲をうじゃうじゃしていて、それらは今言うところのブロックチェーンのスマートコントラクトみたいなもので、互いに取引しまくっているという感じだったような。
文明の行きつく先がそんな感じなもんだから、もうダイソン殻みたいなものは作らないんですね。必要ないから。恒星の周りをスマートコントラクトがうじゃうじゃと周回しているという。
なんか、あまり面白くない未来な感じもしますねー。

チャールズ・ストロスってイギリスのSF作家なんですけど、イギリスのSFって、なんかクセがあって面白いな、と。あー、でも、アーサー・C・クラークなんかは逆にクセがないか。

たとえば、チャイナ・ミエヴィル。『都市と都市』が面白くてねー。いや、『都市と星』はクラークだし『喪われた都市の記録』は光瀬龍だし宇宙都市はジェイムズ・ブリッシュだし『順列都市』はグレッグ・イーガンだし『ありえざる都市は』デイヴィッド・ジンデルだし、そういやクリフォード・D・シマックの『都市』ってのもありましたね。読んだっけかな?おっと、アシモフの『鋼鉄都市』を忘れちゃいけないですよね。

いやいや、チャイナ・ミエヴィルだった。

『都市と都市』って、おそらく黒海沿岸のどこかの都市の話なんだけど、これが、2つの異なる都市が重なり合ってる。いや、どう重なってるかというと、ちょいと次元がずれてるというか、同じ時間と場所なんだけど、政治体制や宗教が異なる2つの都市が、相手がぼんやりと見える感じで重なり合っている。次元が異なるので、直接相手に干渉することはできないんだけど、まぁ、なんとなく見える。でもって、特定の経路をたどると、それぞれの都市の間で行き来ができる、と。一方は米国が支援してて、一方はロシアが支援してたりしたかな?まぁ、ウクライナの都市とジョージアの都市が重なり合って存在しているみたいな感じ?
で、なんでそういう状況が生じているのかは一切、触れられない。それはもう単なる地形的な条件のように、遥か昔からそんなもんだという扱い。
うーん、この面白くも異様な状況をうまく説明できないな。ま、異様な状況を当たり前な状況として語られるところが面白いのかな。

で、『都市と都市』を読んで、チャイナ・ミエヴィル面白いなーと思ったので、『ペルディード・ストリート・ステーション』ってのも、読んでみた。これはSFというより、ファンタジー。それもダークファンタジーってやつでしょうか。これがまたね、面白いというか、その世界観がすごくてねー。ストーリー的にはどうなのよ?って感じだし、主人公はなんか独善的で感じ悪いんだけど、ま、とにかく、描かれた世界がリアルな感じなんですよ。
でもって、『クラーケン』が面白かったですねー。これは一種のオカルトものでしょうか。オカルトなので、隠されているんですが、ちょいとめくると、わけのわからないものがぞろそろとうごめいているのが、ロンドンみたいですよ。

うん、まぁ、スティーブン・バクスターもいいですよね。ジーリー・シリーズ。ジーリーって、フォトンの超対称性粒子であるフォティーノをベースとした生命体、フォティーノ・バードによってこの宇宙はダメになっちゃいそうだから、別の宇宙に脱出することにしたのね。それで、まずは自分らを50億年前に送って、それから宇宙ひも(ひも状の特異点)を一生懸命集めて、直径一千万光年のリング作って(グレート・アトラクターってやつですね)、その中心のゲートを抜けて別の宇宙に行っちゃったんだけど、そこに人類があれこれちょっかいだしてさ。なんか、ジーリーに無視されてるのが癪に障ったのかな。

無駄に長いんじゃないの?と思いつつも、もしかしてこれて面白いんじゃない?うん、面白いかも。と思ったのがアレステア・レナルズの『啓示空間』シリーズ。なんか近光速船の中がべちゃべちゃしてて、船長さんは船体の一部と化してるらしいし、もしかしたら恒星系を破壊できちゃうかもしれないけど実際の威力は誰も知らない隠匿兵器を船倉に隠しているし、頭部以外はほとんど機械化しちゃった船員さんが虚無僧の格好して尺八持ってたりするし、まぁ、とにかく、カズム・シティですよ。イエローストーン星の。融合疫というナノマシンを暴走させる疫病というかそれ自体がナノ兵器じゃないの?的なもののせいで、人類世界の中で最も華やかで発展していたカズムシティがなにやらでろんでろんなものになっちゃったらしくて、まぁ、そういうことで、でろでろなハードSFですかね。

えーと、今回は主にSFの話になりました、ということでよろしいでしょうか。

ありがとうございました。それでは、またお目にかかりましょう。