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提案書作成の思考(3)- 提案書の辻褄を合わせる



どうもこんにちは。
まいど血まみれな石山です。


「提案書作成の思考」連載の第3回目です。
いつも通り、わたくしが提案書やプレゼン資料などを構成する際に気をつけている事や些細なコツなど、個人的思考を綴っていきます。提案資料の作り方HowToな内容ではなく、あくまで思考的な話ですのであしからず。

前回の記事:
提案書作成の思考(1)| PAGEONE NOTES
提案書作成の思考(2)| PAGEONE NOTES

 
 


今回は、提案書全体の辻褄をあわせる、矛盾を無くすことについて話していきます。
別の言い方をするならば「資料の構成を整える」ための地ならしの話とも言えます。

提案書やプレゼン資料といったドキュメントは、作成者=発表者では無い事も多くあるかと思います。

作成者は、発表者の胸に提案内容をストンと落としスラスラと説明できるようにするため、また、クライアントからの質問という名のツッコミに柔軟に対応できるようにするために、提案書の辻褄に矛盾が生じないよう細心の配慮を持って内容を構成することが大切です。

構成の辻褄を合わせる

構成の辻褄を合わせるにはどうするか。
何のことはありません。

「提案シナリオに沿って並べる」
=クライアントの目的(何が何のために何を成すか)を明確にして、目的達成をゴールとする導線上に提案項目を順番に並べる。

これだけです。
ここに気をつければ、構成上の辻褄はきっちり合わせることができます。

どのように並べるか

提案のシチュエーションによって様々な形があるかとは思いますが、

単純な構成項目を例にするなら

  1. 課題の抽出
  2. 提供できる解決手段
  3. 予想達成地点

のような項目を、提案シナリオの時系列順に並べるのが良いでしょう。

ヒアリング情報が充分な場合は、正確な課題を元に、解決手段、達成地点と順番に考えても良いですし、提案者側の提供するサービス(解決手段)の提案が有りきの場合は、解決手段を元に、「こんなふうに困っていませんか」と課題を逆算で創出しても良いでしょう。
課題を複数上げてそれぞれに解決手段を用意しても、それらが全て目的の達成につながるならば導線は途中で分岐してもでもかまいません。

その結果が、クライアントの目的である達成地点に至るのであれば、構成上の辻褄はばっちり合わせる事ができます。

情報の辻褄を合わせる

もうひとつ気を付ける辻褄は、情報の辻褄です。

クライアント側は、少ない判断材料の中、

  • 本当にそのサービスは機能するのか
  • そのサービスは目的達成のための手段として正しいのか
  • 予算に合った提案内容なのか

といった、さまざまな情報を評価します。

基本的には、前項の「構成の辻褄」を合わせる事で、情報の辻褄もある程度合うものですが、
気を付けるべき箇所があります。

それは、「盛り」です。

「盛り」を均す

提案書の作成時には、クライアントの担当者や決裁者に対して少しでも良い印象を与えるために、内容を多少なりとも「盛る」場合が往々にしてあると思います。

説明しよう「盛る」とは、手持ちのノウハウには無いものや充分な検証が済んでいない事象の中から、おそらく実現可能と思われる段階のものを「これは出来ます!」と嘯いて提案に盛り込む事だ!(汗)

「盛った箇所」は、情報の辻褄をあわせるための難関のひとつで、ここを均しておかないと質疑応答でツッコミの応酬をうける格好の的となってしまいます。

このため、「盛った箇所」については、念入りに辻褄を合わせる必要があります。

「盛った箇所」の情報に対する裏取りをしっかりして、補足として記載できるならば資料の中に追記します。
補足も盛り込みすぎると逆に言い訳がましく怪しい印象になるので、裏取りした情報は、提案書とは別にまとめて発表者が言葉で説明できるように伝えておくことも大切です。

このように、「盛り」を「盛り」と見えないよう均していくことは、提案全体の辻褄を合わせるために大事な工程となります。

辻褄の不整合を逆利用する

提案書に辻褄のツッコミどころをあえてトラップとして残しておくという手法もあります。

提案やプレゼンの場では、限定された時間内で提案内容の説明を行ったあとに質疑応答の時間が設けられます。

「この辻褄を突っ込まれても、逆に効果的な補足説明ができる」といった箇所をあえて残すことで、質疑応答の時間を追加プレゼン時間として活用することができたりします。

また、突っ込まれると都合の悪い箇所を隠すために、分かりやすいツッコミどころを散りばめて質疑応答の時間をやりすごすなんて使い方もできるかもしれません。

まとめ

提案書を辻褄を合わせる事は、提案の精度をあげられるのはもちろん、提案内容に対する安心感・信頼感を与えるために大事な作業です。

辻褄合わせを疎かにすると、どんなに素晴らしい素材の提案であってもクライアントに不安を与え、受注への足がかりが緩くなるひとつの原因になります。

出来上がった提案書でも、一度俯瞰で眺めて提案シナリオや情報の辻褄を見直してみる事で、提案の成就に大きく近づくことができるかもしれません。

 


ということで、
まだまだ提案書の整合性を保つための手段はありそうですが、辻褄の文字がゲシュタルト崩壊を起こしてきたので、今回の思考はここまで。

次回はもう少し実践的な内容で、
提案書作成の思考を巡らせてみたいと思います。

お楽しみに。