肉じゃが食べたければ自分で作ればいいじゃない?と思っている平井です。
肉じゃが、あれも大日本帝國海軍のメニューだったそうですよ。
大日本帝國海軍といえば、海の男の艦隊勤務月月火水木金金ですので、曜日を忘れる。
なので、毎週金曜はカレーを食べることにしたとか。大日本帝國海軍直系の海上自衛隊でも毎週金曜はカレーだそうです。
曜日を忘れるせいだとしても、なぜカレーか。
これはですね、帝國海軍も陸軍も、兵隊さんの脚気に悩まされていたそうなんですよ。
なにしろ兵隊になれば白米を腹いっぱい食べられるというのが、入隊のモチベーションだったとの説もあるそうなんですが、白米ばかり食べていると、ビタミンB1が不足して、脚気になると。
軍医だった森鴎外は脚気には征露丸が効くとか珍説を述べていたとかなんとか聞いたような気もするのですが、ま、とにかく、脚気には麦なんですよ。
白米腹いっぱい食わせると言われていたのに、いまさら麦飯を食わせるわけにはいかないじゃないですか。
いや、私は麦飯食べてましたけどね。貧乏人は麦を食えとのたもうた宰相がいらっしゃいましたけど、麦飯って、ふつうのご飯より高くつくんですよね、今日この頃は。
いや、そうじゃなくて、帝國海軍のカレーの話しでした。
日本のカレーって、ルーがどろりとしてるじゃないですか。
あれって、小麦粉を入れてるからなんですよね。帝國海軍は、脚気予防のために麦を食べる方法として、パン食とカレーがあったわけです。
で、カレーといっても、インドのカレーを見習ったわけじゃなくて、帝國海軍の師匠にあたる大英帝國海軍のカレーを見習ったそうです。大英帝國のカレーも小麦粉入れていたのかどうかはわかりませんけど。
で、皆さん、自分でカレールー作ったことあります?
わたしは、あります。
『AKIRA』って漫画はご存知ですよね。大友克洋の。で、私は大友克洋の『気分はもう戦争』って漫画が好きでして、その原作が矢作俊彦でした。
その矢作俊彦さん、三つボタンのキャメルのブレザー上二つがけ、アーガイルのソックスにウィングチップでダッツン510でぶろろんと現れたりするようなんですが、『ブロードウェイの戦車』ってエースのジョーこと宍戸錠が主人公の小説を書いてらっしゃいまして、このなかで、ジョーがロンドンで昔の傭兵仲間がやってるカレー屋に行くと、そのカレー屋の主人が「まったく人の国の文化をバカにしやがって」とか言いながら、フライパンで小麦粉を炒め始めるわけです。
インドとかそのあたりのカレーは、小麦粉でとろみをつけたりしないわけですよ。
が、元自衛隊員で三ツ矢事件かなんかで自衛隊を辞めて傭兵になったエースのジョーは、パキスタンあたりの出身の傭兵仲間がやってるカレー屋に行くと、日本風のカレーを注文するもんだから、フライパンで小麦粉炒めて、そこにカレーを注ぎ入れて、日本風のどろりとしたカレーにして、飯の上に注いだものを出すと、エースのジョーはうまいうまいとかっくらうわけです。
小麦粉をフライパンで炒めるって、どういうこと?と私は思ったわけですが、グラタン作るためにフライパンでバターを溶かしたところに小麦粉を振り入れて、練り練りして冷たい牛乳を注いでかきまぜかきまぜしてホワイトソースを作ったときに、あぁ、フライパンで小麦粉を炒めるというのはこういうことか!と気づいたわけです。
ということで、自分でカレールーを作ってみることにしたわけです。
いや、普通にカレーを作るなら、市販のカレールーを使ったほうが、よっぽど簡単ですよね。
自分で作る場合は、和風のカレー。というか、蕎麦屋のカレーです。麺つゆを味のベースにしているらしい蕎麦屋のカレーって、妙にうまいじゃないですか。
それって、市販のカレールーにないから、自分で作ろうと。
作り方は、ホワイトソースの作り方を踏襲。
フライパンにごま油を注いで、そこにカレー粉を入れて、小麦粉を振り入れて、弱火で加熱しつつ、ヘラで混ぜ混ぜ。粘土をこねるように、ダマにならなように、すりつぶすように、こねこね。
そこに、水を注いで、うりゃうりゃ、うりゃうりゃとかき混ぜます。
すると、そのうち、とろーりとなってきます。
ここに、麺つゆをどぼどぼと注ぎます。
続いて、刻んだ玉ねぎを投入して、ちょいと煮込めば、出来上がり。
皿の上にご飯を盛って、納豆を載せて、そこにカレーをどろりんとかけまわした納豆カレーが、んめいんだ!
あぁ、そうだ。肉じゃがとカレーの関係でしたね。すっかり忘れてました。
軍隊というものは、兵站が大切。兵站次第で戦局はこれだけ違うものになったかもしれないというのが、林譲治の『興国の盾』シリーズだったりするわけです。
で、カレーの具と、肉じゃがの具は共通じゃないですか。なので、帝國海軍ではカレーと肉じゃがが定番メニューだったようです。
「帝国海軍 肉じゃが」でググっていただけば、レシピがヒットすると思います。
ここまでお読みくださいまして、ありがとうございました。
ではまたお目にかかりましょう。