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働くって


働く事は悪い事なのか

ここ数年、「働き方」を巡って色んな事件が起きている。若い女子社員が自殺に追い込まれた電通の事件も然り。ヤマト運輸の残業代不払いといった事件も実は枚挙にいとまがないほど。
国は、プレミアムフライデーとかいう15時に退社して飲み食いしたり旅行に行ったりしてね~、みたいな制度を勝手に作ったりしているが、現実的じゃない、という声も聞く。

またこれから社会に登場し、働きを担う就活生からは、転勤が無い企業に対する人気が高いのだそうだ。いわゆる有名大学の就活生も転勤のある「総合職」より転勤の無い「一般職」に人気が有るのだそうだ。
一方企業の側もどこから言われたのか、はたまた単なる流行なのか「働き方改革」に取り組んでいる、と謳わないと学生を集められない世の中だそうな。中々に厳しい世の中になったものだと思う。

こんな風潮の中では「働く事は悪い事」な意識を、世に出る前から学生に持たせてしまうのではないかと感じている。残業を命じられると「俺はブラック企業に入ってしまった」と単純に感じてしまう新入社員も多かろう。
人が生きていく為には、普通は働かなくてはならない。働いてお金を得て生活を成立させていくのが当たり前である。働いている過程で、長い時間をかけて目標を実現させなくてはならない仕事もある。明日迄に作らなくてはならない見積書を夜なべで書かなくてはならない時もあるはず。

そもそも企業は社員に働いてもらわなくては、経営が成り立たないのは企業の宿命である。給料払えませんもん。
しかし、常態化した長時間労働、残業は社員の士気と健康を奪う。これは反論の余地があるまい。
ただ、まだ世の中の事どころか、自分が何者なのかも自覚できていない若者たちに、「残業=悪」と刷り込む事は決して誰の為にもならないと思う。
やはり、そうなると働く側にも企業側にも落としどころが必要なる。最近よく言われる「生産性」を高める事が解決に繋がるという議論。

そこで「生産性」ってのが…

日本はOECDの中でも「生産性」って物差しで測ると最下位グループだそう。生産性とは、要は時間内に出来る仕事の量や質を高める、って事だろう。何かの仕事にかかる時間を15分から5分に減らすことが生産性を上げる、という事に他ならない。
日本の様に製造業に傾斜した国では、製造業(工場)の生産性を限界ともいえるところまで上げてきた。それが行動経済成長を支えてきたわけだ。これらの産業では今でも生産性の向上への取り組みが続いており、生産性も向上している。
しかし、いまや日本の労働人口も知識労働者とサービス業労働者が過半を占める。問題は、これら労働者の生産性が低いままだ、というところから「日本の生産性は低い」という議論が始まる。

この問題はなぜ解決されないのか。我々の様な零細、中小企業は勿論のこと、大手企業でも生産性が低い、と言われている理由を次回は考えてみたい。