スタッフブログ

Si vis pacem, para bellum


青森はすっかり秋めいてまいりましたが、枯葉と言えばBobby Timmons Trio In Personが好きな平井です。

えーと、今回は神に与えられた権利としての銃的な話しでしたでしょうか?

昔、半沢隆実『銃に恋して―武装するアメリカ市民』という本を読みまして。

まぁ、私の場合は、アメリカは銃を持てていいなぁ、と思うのですが、一般的には銃を所持できるなんて、おかしいんじゃないの?銃野放しにするから乱射事件起きるんじゃないの?バ◯なの?という感じなのではないかと思います。

そこで、『銃に恋して―武装するアメリカ市民』では、米国社会において、なぜ銃を所持することが権利とまで言われるのかを取材したわけです。
で、まぁ、うろ覚えですが、

①合衆国憲法修正第2条に「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有し、また携帯する権利は、これを侵してはならない」って書いてるんだもの。

②神が「動いている命あるものは、すべてあなたたちの食糧とするがよい」っておっしゃったじゃないですか。なので、鹿なんか狩るのに銃が必要じゃないですか。だから神に告げられたことを行うために銃が必要なんだよ!

といったことのようです。違っていたらごめんなさい。

A・E・ヴァン・ヴォークト『武器製造業』『イシャーの武器店』に書かれていたのもこんな感じで、市民が権力に対抗するために市民が武装する権利が認められなければならない、みたいな?
まぁ、あの物語は女帝に支配される世界で市民が権力に対抗する手段としての武装だったと思うんだけど、今の世の中、権力に対抗する手段は武力じゃなくて、人民の声とかなんとか申し上げればPoriticalにCorrectですよね?

さてさて、そんなわけで(どんなわけだ?)保守的な私が好きな拳銃はコルト・ガバメントモデルです。

あれです、銭形警部が持ってたやつです。

BLOOD+のカイ君も持ってませんでしたっけ?父親の形見で。

青の祓魔師の弟の方、雪男君も持ってましたよね。

自衛隊も9ミリ拳銃の前はガバメントでしたよね。というか、民生品がコルト・ガバメントモデルで、元々は軍用のM1911A1。なので、コルト・ガバメントモデル系の銃はまとめてナインティーン・イレヴンと呼ばれているようなんですが、日本じゃガバと呼ばれているようで、本文も以下ガバと呼ぶことにしましょう。

で、ガバですが、M1911というくらいですから、米軍の制式拳銃になったのが1911年なわけです。当然、そのベースとなるモデルはそれよりも前にジョン・ブローニングによりデザインされたわけです。
この100年以上も前のデザインが、現在においても使われ続けてるってすごいなと思うんですよ、私は。
あ、いや、サミュエル・コルトがデザインしたコルト・シングル・アクション・アーミー・リボルバーのデザインなんてそれより昔ですけどね。

えと、それで、なんでガバがいいか。
私は素ガバとかミリガバとか言われるM1911A1そのままよりも、やはりちょいとカスタムしてあるガバが、好きなんです。

やはり、グリップ・セイフティはビーバーテイルのに変えて、サム・セイフティもエクステンデッドなのに変えて、リアサイトもノバックタイプのにしたいところです。
グリップはフロントストラップにチェッカリングを入れたいところですが、高くつくのでパックマイヤーのグリップで我慢してもいいかと思います。
まぁ、海兵隊のMEUピストルみたいなのが最低限のカスタムでしょうか。

えーとですね、ジェフ・クーパーって人が始めたコンバットシューティングという射撃術がありまして、ハイグリップといって、高い位置で銃を両手で握って、ウィーバースタンスという構えをして、ダダン!ダダン!と撃つって感じなんですが、そのような撃ち方には、上述のカスタムが必要なんです。

カスタムと言ってはみたものの、それはベースが素のガバだった場合のわけで、今ではそこいらがデフォのガバが色々なメーカーから売られています。
ガバはとうの昔にパテントが切れているので、誰でもデザインを使えちゃうわけなんです。

昔、色々なメーカーがIBM-PC/ATのクローンを作っていましたが、まぁ、あのような状況と思っていただければ、と。

そして、IBM-PC/ATクローンと同様、Compaqのような高級路線のものもあれば、ローレンス・エクスプレスウェイの脇のコンピューター・リテラシー・ブックショップの近所にあった、奥のガレージで台湾人の親父さんがAutoCADで基板を設計していたPC屋のようなクラフトマンシップ路線のものもあるわけです。

でもって、フレーム、スライド、バレル、ハンマー、トリガー、セイフティ等のガバを構成する各種パーツが色々なメーカーから売られているのです。なので、オリジナルのガバのフレームにCaspianのフレーム、Novacのサイト、Bar-Stoのバレル、Chip McCormicのハンマーとトリガー、とか色々と楽しめるわけです。

ちなみに、各パーツの間で互換性があると言っても、特にバレルとスライドなんかはフィッティングが必要で、そこはGunsmith(鉄砲鍛冶)にお願いすることになります。

なぜフィッティングが必要かというと、ガバのバレルロッキングシステムからご説明申し上げなければなりません。

スライドが前進した状態、つまり、普通の状態では、スライドとバレルはバレルの後部上方にあるロッキングラグがスライドの内側に噛み合って、スライド・バレル・フレームが固定された状態になるわけです。
ここで、弾を撃つと、発射の際の反動でバレルとスライドがちょこっと後退する。ちょこっと後退すると、バレルの後ろのほうがちょこっと下に下がって、スライドとバレルを固定しているロッキングラグは外れる。
スライドはそこからさらに後退し、空薬莢を排出し、ハンマーをコックし、リコイルスプリングが伸びることにより前進して戻る際に、次弾をチャンバーに装填するわけです(まぁ、何書いてるのかよくわかんないよね)。

こういうのを「ショートリコイル」といって、そのなかでもガバの場合はバレルが下に下がってロックを外すので、「ティルト・バレル」とか言われるんですけど、まぁ、ここらはウィキペディアなんかに詳しく書かれています。

というわけで、バレルとスライド、スライドとフレームは、いい具合にフィッティングしないといけないわけです。きちきちにフィットさせれば命中精度はよくなりますが、動作不良を起こしやすくなる。ゆるゆるにフィットさせれば、砂埃舞う中でも動作するけれど、命中精度はちょいと落ちるかもしれない。

Gunsmithはその銃が利用される目的、環境に応じて、削ったり叩いたりしてフィッテングしていくわけです。

なんかO365の導入支援のようですね(いや、たぶん違う)

ありがとうございました。それではまたお目にかかりましょう。