先日、新しいイヤホンを買いました。SIVGAのLyrebird(琴鳥)というやつです。きっかけは、YouTubeのレビュー動画を見て「あ、これはいいかもしれない」と直感的に思ったんです。お値段も3万円しないくらいで、もしイマイチだったとしても諦めがつく価格だったので、Amazonで速攻ポチりました。酔ってましたし。

スペックは以下の通り。
| 項目 | 内容 |
| ドライバー構成 | 10mmポリマー複合振動板ダイナミック(低域)、バランスドアーマチュア(中域)、マイクロ平面駆動ユニット(高域)、9.2mm積層型ピエゾセラミック(超高域)の4ユニット・ハイブリッド |
| 周波数応答 | 20Hz〜20kHz |
| 感度 | 108dB |
| インピーダンス | 14Ω |
| 重さ | 6.5g(片側) |
| フェイスプレート | 天然木(スタビライズドウッド、木目は個体差あり) |
| 価格 | 27,800円ほど |
マイクロプラナーとかピエゾとか、何か高音域よさそうですよね。
私はSIVGAのQue UTGというシングルダイナミックドライバーのイヤホンを持っていて、これが結構好みの音だったので、「同じメーカーなら、Lyrebirdも外すことはないだろう」という期待もありました。
で、実際に聴いてみたら、これが良かった。
何が良かったかというと、シンバルの音です。
以前もこのブログで書いたと思いますが、私は昔のJazzばかり聴いています。といっても、聴き始めた頃は昔といっても、当時から10数年前のJazzだったわけですが、気づけば「当時から」の部分がどんどん膨らんで、今では普通に「昔のJazz」と呼べる代物になりました。時は流れていくものですね。少年易老学難成です。
昔のJazzというのは、シンバルでリズムを刻みます。なので、私はまずシンバルの鳴り方を聴いて、「あ、これはいい」と判断してしまいます。良し悪しの判断基準がだいぶ偏っているかもしれませんが、まぁ、偏っているのはそれだけではないですが。
これまで、いくつかイヤホンを買って聴いてきましたが、正直なところ、どれもGRADOのSR325xというヘッドホンには敵わないだろうと思っていました。SR325xのシンバルの鳴らし方は私の好みで、昔Jazz喫茶でJBLの43xxとかALTEC A7なんかで聴いたシンバルの音を思わせるものがあるんですよね。わたしの場合は。
ただ、SR325xはオンイヤー型で装着感がよろしくなく、1時間も聴いていると耳が痛くなってきます。長い時間Jazzに聴いていたいなら、イヤホンのほうが楽かな、とは思ってはいました。
ところが、です。
Lyrebirdは、SR325xに負けないくらい、いや、ほぼ同等と言っていいくらい、シンバルの音がいい。スティックで叩く音も、ブラシでこする音も、実にいい。
それだけではありません。Bill Evansのピアノの音は高音域が刺さることもなく、Cannonball Adderleyのアルトサックスは艶やか。Paul Chambersのベースは、弦の音が同心円状に広がっていくように聴こえます。
あ、『Kind of Blue』って、わたしがよく聴き比べたいときに聴く曲なんですよ。
Lyrebirdは、3万円もしません。いわゆるミドルレンジのイヤホンです。にもかかわらず、昔のJazzばかり聴く私にとっては、これまで買って聴いてきたイヤホンの中で、一番いい音がすると思いました。
高ければ高いほど音がいいかといえば、どうやらそうとは限らないようです。幸せなことです。まぁ、数十万円もするイヤホンとか聞いたこと、ないんですけどね。
SIVGAの設計者の方々が、まさかこんなことを狙って作ったわけではないと思います。しかし、1950年代後半に隆盛を極めたマイナーレーベル御三家の録音を支えた、あのRudy Van Gelder先生が録った音源を再生するのに、私がこれまで出会ったイヤホンの中では、このLyrebirdが、現在のところ、最も相性がいい。一番です。
人生も終盤に差し掛かった今日この頃、まだこういう出会いがあるのだということが、なんだかうれしかったのです。
まぁ、でも、来年の今頃は「新しいイヤホン買ったんですよ、これがねぇ、Wes Montgomeryのギターの音を聴いたら最高なんですよ!」とか言ってる可能性は否定できないですね。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。