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MicrosoftはWindows 10 Mobileを見捨てた!?


SCD プラットフォームビジネスユニットエンジニアの新宅です。
10月に入り、朝晩が冷え込むようになってきて、暖房の出番が増えてきました。(つい1か月前までは冷房だったんですけど…)

「コイツにはMicrosoft以外のネタが無いのか!?」とそろそろ誰かが心の中でツッコミ入れる人が居そうな気はしていますが、そんなことはお構いなしにMicrosoftネタを投下しようと思います。

初めからMicrosoftはモバイルOSで競争するつもりが無いのかもしれない

Microsoftは、PC版のWindows OSだけではなく、モバイル版Windows OSを開発・提供しています。常に影の薄いモバイル版Windowsですが、日本ではWindows Phone 7時代に端末が発売されたことがあるものの、それらがほとんど売れなかったためか、その後しばらくWindows Phone端末が日本では発売されないということもありました。

そんな中、PC版のWindows 10が発表されると同時に、Windows 10 Mobileも発表され、再び注目を集めました。
注目された機能の一つに、「Continuum」という機能があります。「対応モニタ、対応端末、マウス、キーボードを繋げることでPCライクな操作ができる」という夢のような機能です。

…ですが、問題は多くありました。
まず「対応モニタと対応端末が圧倒的に少ない」こと。せっかくWindows 10 Mobile端末を買っても「その端末がContinuumに非対応だった」、「対応端末を買ったはいいものの対応するモニタがなかった」ということはザラでした。「Continuumに対応している端末を探すほうが難しい」という無理難題を突きつけられていた、ということになります。これでは魅力的であるはずの機能を使いたくても使えるはずがありません。きっとその時点でユーザーは「使えない機能だ」として諦めてしまうことでしょう。
問題はこれだけではなく、「あくまでできるのはPCライクな操作であって、PCほど及ばない」ということ。「従来のデスクトップアプリケーションは当然のように使えず、Windows ストアアプリとして配信されているものしか使えないこと」が最も大きなマイナスポイントです。ご存知な方も多いかとは思いますが、Windows ストアアプリとして配信されているものは圧倒的に少なく、Windows 10 PCが増えた今でも、初期のAndroid アプリの不足感を超えるほどです。他にも、「ウィンドウ化はできない」とか、不満を挙げるとすればキリが無いほどあるような、中途半端な代物でガッカリした方も多いのではないでしょうか。

そんなこんなで結局、Windows 10 Mobileが膨大なシェアを持つiOSやAndroidに太刀打ちできるはずもなく、またひっそりと消えていきそうな雰囲気すら感じるほどです。「やる気が無いのかな…?」と疑問を抱かざるを得ません。

Microsoftは本格的にWindows 10 Mobileを見捨てたのかもしれない

Fall Creators Updateに向けた、Windows 10 Insider Previewの中でこんなことがありました。こんなことというのは、「iOSやAndroidのブラウザからMicrosoft製アプリに共有をかけることで、PCのMicrosoft Edgeに同じWebページを表示する機能を追加した」というものです。一つ気になったことは、Windows 10 Mobileの文言がどこにも見当たらず、iOSとAndroidにしか対応していないということでした。

それだけではありません。つい先日、またiOSとAndroidに対するニュースが。「Announcing Microsoft Edge for iOS and Android, Microsoft Launcher」という記事が突然投稿されました。「iOSとAndroidにもMicrosoft Edgeをリリースして、PCとの連携を予定しているよ!!」という内容です。なんかやっていることがChromeの真似事のような気もするのですが…。
まずはプレビュー版で展開するようですが、現在はプレビュー版の事前予約の状態です。
「Microsoft Edgeを他モバイルOSにリリースすることだけはさすがに絶対にない」と思っていましたが、あまりにもMicrosoft EdgeやWindows 10 Mobileが不振のあまり、「そんなの関係ねぇ!!」状態になってきたように感じます。

これまでのMicrosoftなら、Windows 10 Mobileを売りたいのであれば、競合のプラットフォームにアプリを積極的展開することはあり得ませんでしたが、こういったところでも体制の違いを大きく感じさせられます。いろいろと変わっていくのが早すぎて、追いつくだけで精一杯になる人も多いかもしれません…。