スタッフブログ

日本の伝統文化継承


皆さんこんにちは!Y.M.です。

今回は、普段の技術的な投稿とかけ離れた内容ですが、私の生活の一部となっている「書道」について紹介します。

目標

多くの小・中学校で書道の授業があると思いますので、経験したことがある方は多いと思います。

私は習い事の延長ですが、書道歴16年目となり、師範の取得を目指しているところです。

大きな賞をいただくことも目標ではありますが、知識と研鑽を積み、伝統を引き継ぎ、継承することが最終目標です。

作品作り

作品は出品する3か月前から書き始めます。

1.5か月は練習期間、0.5か月は癖などの修正期間、残り1か月で微調整と納得いくまで作り続けます。

また、作品との相性を考えた墨の濃淡と和紙を選ぶ作業も含まれます。

練習期間は墨汁で書くことがありますが、実際の作品には固形墨を30分から1時間程度、水を入れた硯の中で磨り続けた墨を使います。

集中力と根気がいる作業ですが、こうして1つの作品を生み出しています。

作品を作るにあたり、墨や筆などの文字を書くための道具の他にも、下記のように作品として成り立たたせるための道具や支えてくれる職人の方がいらっしゃいます。

落款印(らっかんいん)

書道や水墨画などの作品が完成したことを示す印です。

基本的な落款印は三種類あります。

姓名印(せいめいいん)

作者の本名(名前または、フルネーム)が彫られている印です。

作者名の下または左下に捺します。

雅号印(がごういん)

本名以外に付ける別名(ペンネーム)が彫られている印です。

姓名印の下に捺します。

引首印(いんしゅいん)

作品の書き始めを表す飾りとして捺します。

詩句や熟語等お好みの字句を入れます。

私の引首印には、清らかな心・落ち着いていることを意味する字句が彫られており、先生が贈ってくださいました。

また、これらの落款印を押すために印泥(いんでい)というインクが必要です。

普段見かける朱肉とは違い、柔らかいペースト状になっています。色も複数あり、作品に合わせて変える方もいます。

表具(表装)師

書を作品にするために紙や布を使用して仕立てます。

大きな作品展には紙ぺら一枚で出品することができません。裏地を貼り、書に合わせた表具を選択し、作品にしてくださいます。

身近な形式だと、床の間にある掛け軸と同じような形に仕上げることが多く、他には額に入れたり、パネル仕立てにすることもあります。

最終的には表具師の方が仕上げをすることで、作品として成り立つことができております。

作品の見方

よく「読めないから見方がわからない」、「どのように作品を見たらいいの?」という声を聞きます。

実は正しい見方があるわけではありません。

作者は心を込めて作品を作りますが、その心情を読み、理解してほしいとまでは求めていません。

作品をご覧になった方次第で受け取り方が変わるのは当たり前で、直感だけどこのように感じたとなんらかの気持ちを抱くことが大切です。

作品に対する声というのは、直接お聞きすることは多くありません。自己満足の世界に少しの共感や好意をひっそりと秘めてくれるだけでも非常にうれしいものです。

まとめ

年々書を嗜む方は、減少傾向にあり、ネットの普及から紙に文字を書く習慣は減ってきていると感じています。

年賀状や新年の書き初めなど、現代の日本人の暮らしにも深く根付いている文化ですが、これらが廃れるのも時間の問題でしょう。

身近にあったことがかけ離れ、いずれ無くなってしまったとしても、多くの方に支障はないとは思いますが、

一部の方々の協力で伝統は守られ、引き継がれていることを私自身も忘れずに、少しでも日本の美しい文化を次の世代に伝えなければならないと痛感しました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!