こんにちは、ページワン木村です。久しぶりの投稿になります!
今年も例年通り、たくさんの本を読んで楽しみました。その中でも特に印象に残った二冊をご紹介します。

Invention and Innovation: 歴史に学ぶ『未来』の作り方

まず一冊目は、バーツラフ・シュミルの「Invention and Innovation: 歴史に学ぶ『未来』の作り方」です。

この本は、発明とイノベーションの歴史を探る一冊で、シュミルは発明がどのようにして期待を集め、時には失敗に終わるかを詳細に分析しています。また、過去の発明が社会にどのような影響を与えたかを理解するための重要な視点を提供しています。

シュミルは発明を3つのカテゴリーに分類しています。
まず、期待に応えなかった発明。これらは大きな期待を集めたものの、実際には広く普及しなかった発明です。次に、災害を引き起こした発明。これらは導入後に問題を引き起こし、社会に悪影響を与えた発明です。そして、長い間約束されている発明。これらは実現すれば非常に有益であるとされるが、まだ実現していない発明です。

さらに、21世紀の課題に対処するために最も必要とされる発明の「ウィッシュリスト」も提供しています。このリストは、持続可能なエネルギー、環境保護、医療技術など、現代社会が直面する重要な問題に対する解決策を示唆しています。発明とイノベーションに興味がある人にとって、非常に面白い一冊です。

自由の命運: 国家、社会、そして狭い回廊

次に紹介するのは、ダロン・アセモグルとジェイムズ・A・ロビンソンの「自由の命運: 国家、社会、そして狭い回廊」です。

この本は、国家と社会の関係が自由と繁栄にどのように影響するかを探る重要な一冊です。現代のポピュリズムや専制国家の台頭に対する洞察を提供し、自由を守るための方策を論じています。

テーマは「狭い回廊」です。自由と繁栄を維持するためには、国家と社会がバランスを保ちながらこの狭い回廊を進む必要があります。国家が強すぎると独裁に、弱すぎると無政府状態に陥るリスクがあります。アセモグルとロビンソンは、古代ギリシア、建国期のアメリカ合衆国、現代中国など、様々な歴史的事例を通じて、このバランスの重要性を示しています。自由を未来で掴む、あるいは未来における自由とは何かを考えさせられる一冊です。

僕は人類史や産業史、経済史を読むことが多いですが、この二冊は特に素晴らしい刺激をくれました。
シュミルは科学的、実証的なアプローチで現実的な視点から未来を予測し、アセモグルは歴史的事例と政治経済学の視点から制度と技術の影響を探ります。どちらもお薦めの二冊です。

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