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クラウドを味方に(2)


クラウド化する前に知っておこう

企業がクラウドに取り組む際に、今までのサーバを従来の設置型(オンプレミス)からクラウドに移行する事の意味をよく考えておく必要が有ります。
今までは、自社で利用するWindowsやLinuxのサーバを購入していました。基本的にAzureやAWSといったパブリッククラウドを利用する際には、サーバを購入する必要はありません。替りに、「利用料」を払います。今まで、サーバを購入し、会計上は資産計上し償却していたはずですが、クラウドは利用料を使った分だけ、基本的には月額料金として支払います。
例えば、自社のホームページを置く場所としてMicrosoftのAzureを選びます。サーバのメモリやCPU、ディスクの大きさ等も自分で選択する事ができます。そのホームページが人気サイトで利用者が多いとか資料のダウンロードが多いサイトの場合は、それなりに使用料も上がります。非常に混雑が予想される場合は、サーバの台数を時間帯で増減させる事も自在にできます。
サイトが一時的混雑から解放されれば、サーバの台数を減らす事もできます。また、勿論、解約も可能です。

勿論、他所に置いてある(預けている)訳ですから、サーバ室も電気代も掛かりません。クラウドのサーバも時々何らかの原因で停止する事も有りますが、自社に置いてある場合とは違い、クラウド提供ベンダーが復旧してくれます。バックアップも希望によっては何世代も取る事が可能です。

サーバのお守役はコスト高

実はここがクラウドを選択する際には重要です。今まで購入していたサーバ代金は不要になりますが、その替り利用料がコストとして請求されます。それでも今まで自社に置いてあるサーバが十台以上ある場合は、利用料で済むクラウドはそれだけでコスト減に寄与してくれます。
しかし、もっと大事なのはサーバの保守要員がほぼ不要になるのです。
弊社の事例(https://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/teu.aspx)ですが、東京工科大学様では、約100台のサーバを全てAzureに移行し、それまでサーバの管理保守をしていた数十名の情報センターの保守要員全員が不要となり、異なる部署へ転籍されました。
サーバの購入費用はそのほとんどがイニシャルコストです。しかし、人件費はランニングコストとして固定費となってしまいます。

必要な時に、必要な分だけを利用する、という思考

使用料金が確定しない事に不安を持たれる読者の方もいらっしゃるでしょう。しかし、ほとんどのクラウドベンダーは事前に料金シミュレーションが可能となっています。不要なサーバはサーバのスペックを落としたり、削除してしまう事も自社のデスクに座りながら自由自在です。
イベント等で或る期間だけWebサーバを動かしたい、という要望もよく耳にします。その様な用途には最適と言えます。
必要な時にタイムリーに利用可能で、必要もない豪勢なスペックのサーバを購入する無駄も省ける。こうした合理的な考え方を持つ、経営者や情報システム担当者様には、ご一考の価値があると思います。

 

次回は、クラウドの利用形態に関してご説明させていただこうと思います。

 

有難うございました。